計算機ネットワーク (2025 年度前期)
- 第 1 回: スタートアップ授業 / インターネットの概要
- 第 2 回: 誤り検出・誤り訂正
- 第 3 回: 媒体アクセス制御
- 第 4 回: イーサネット・無線 LAN
- 第 5 回: インターネットプロトコル (IP)
- 第 6 回: インターネットプロトコル (IP)
1. URL
2. 担当者
中村 遼 E-mail: r-nakamura[atmark]fukuoka-u.ac.jp 居室: 14 号館 3 階 313 オフィスアワー: 月曜日 1 限
3. 連絡
- 4/8 出欠は、カードリーダ上の記録で管理します。 授業に出席したら、カードリーダに学生証を触れさせてください。
4. スケジュール (予定)
1. スタートアップ授業 / インターネットの概要 25/ 4/17 2. 誤り検出・誤り訂正 25/ 4/24 3. 媒体アクセス制御 25/ 5/ 1 4. イーサネット・無線 LAN 25/ 5/ 8 5. インターネットプロトコル (IP) 25/ 5/15 6. 経路制御: OSPF 25/ 5/22 7. 経路制御: BGP 25/ 5/29 8. 前半の総復習 25/ 6/ 5 9. トランスポートプロトコル: TCP・UDP 25/ 6/12 10. TCP の概要 25/ 6/19 11. TCP の詳細 25/ 6/26 12. インターネットサービス: DNS (Domain Name System) 25/ 7/ 3 13. インターネットサービス: WWW (World Wide Web)・メールシステム 25/ 7/10 14. インターネットを支える要素技術 25/ 7/17 15. 後半の総復習 / 授業アンケート FURIKA の実施
5. 到達目標
[O1] パケット交換方式と回線交換方式の差異、および、インターネットにおける通信を細分化した四つの各階層の役割を理解し、説明できるようになる
[O2] メディアアクセス制御と物理 (MAC) アドレスの基礎的知識を理解できるようになる
[O3] IP アドレス付けとルーティングアルゴリズムの原理を理解し、説明できるようになる
[O4] TCP による高信頼データ転送や輻輳制御の原理を理解し、説明できるよ うになる
[O5] DNS の原理を理解し、名前解決の仕組みを説明できるようになる
[O6] インターネットの運用を支えるための要素技術を理解できるようになる
6. 成績評価
平常点を 20%、定期試験の得点を 80% で重み付けした得点と、 定期試験の得点を 100% とした得点とのうち、 大きいものを最終的な成績とします。
7. 参考書
- 尾家 裕二, 西尾 章治郎, 後藤 滋樹, 小西 和憲, 宮原 秀夫, 村井 純, "岩波講座 インターネット <1> インターネット入門", ISBN 978-4000110518
- 大崎 博之, "インターネット, 7 つの疑問 数理から理解するその仕組み", ISBN 978-4320009264
- 竹下 隆史, 村山 公保, 荒井 透, 苅田 幸雄, "マスタリング TCP/IP 入門編", ISBN 978-4274068768
- アンドリュー・S・タネンバウム, デイビッド・S・ウエザロール, "コンピュータネットワーク 第 6 版", ISBN 978-4-296-07042-8
8. 確認テスト
- 問題は、確認テストを実施する直前に公開されます。
- 持込はなしです。 ただし、確認テストの問題を閲覧するために、PC・タブレット・スマートフォンを用いるのは構いません。 確認テストを解いている間はこれらの機器を他の用途には用いないでください。
- 答案用紙には手持ちのノート・ルーズリーフなどを用いてください。 所持していなければ、A4 の紙を配布します。
- 確認テストを終えた後には採点してください。できれば、周りの人と答案を交換し相互に採点してください。
- 採点された答案を撮影し、以下のフォームから提出してください。 提出の期限は、確認テストを実施した当日の 11:59pm (JST) です。
Microsoft Forms (学内関係者限定) https://forms.office.com/r/LtUTGWmAgu
9. 第 1 回: スタートアップ授業 / インターネットの概要
9.1. 講義資料
9.2. 確認演習
演習 1
インターネットという言葉を、 その語源である Internet という語句にもとづいて、 説明しなさい。
演習 2
以下の問いに答えなさい。ただし、解答は、回線交換方式とパケット交換方式の二択である。
- ア. 通信品質が優れているのはどちらの方式であるか?
- イ. 通信資源を効率的に利用できるのはどちらの方式であるか?
- ウ. 障害への耐性を有しているのはどちらの方式であるか?
- エ. 事前に回線を確保した上でデータを転送するのは、どちらの方式であるか?
解答の根拠を説明できることが望ましい。
演習 3
以下の文は、OSI 7 階層モデルにおけるいずれかの層の役割を説明している。 各文の説明に合致する層の名称を答えなさい。
- ア. エンドツーエンド間でのデータ転送をになう
- イ. 高信頼・高効率なデータ転送をになう
- ウ. 隣接する通信機器間でのデータ転送をになう
9.3. 略解
演習 1
(講義資料を参照すればよいので) 省略。
演習 2
- ア. 回線交換方式
- イ. パケット交換方式
- ウ. パケット交換方式
- エ. 回線交換方式
演習 3
- ア. ネットワーク層
- イ. トランスポート層
- ウ. データ・リンク層
10. 第 2 回: 誤り検出・誤り訂正
10.1. 講義資料
10.2. 確認演習
演習 1
(講義内で説明した) リンク層の役割を説明しない。
演習 2
以下の 1. 〜 3. に示すビット列それぞれに対して、 偶数パリティによる単一ビットパリティ検査に従いながら、 ビット誤りが発生しているかどうかを答えなさい。 ただし、次の二つを仮定する。 (i) 冗長ビットが付与される位置はビット列の末尾である; (ii) ビット誤りは高々 1 ビットしか発生しない、 つまり、複数ビットのビット誤りは同時に発生しないものとする。
- 11010011
- 00100100
- 11101110
演習 3
誤り訂正のために 8 ビットあたりに一つの冗長ビットを付与すると仮定する。 このとき、256 ビットから成るビット列に付与される冗長ビット数を 答えなさい。
演習 4
単一ビットパリティ検査は、 複数ビットでビット誤りが同時に発生した場合には、 その誤りを検出できない理由を、 例を用いながら、説明しなさい。
10.3. 略解
演習 1
(講義資料を参照すればよいので) 省略。
演習 2
- 誤りが発生している
- 誤りは発生していない
- 誤りは発生していない
演習 3
32 ビット
演習 4
元々のビット列を 00100010
とする。
よって、冗長ビットが付与された後のビット列は 001000100
である。
仮に、1 ビット目と 2 ビット目でビット誤りが発生したとすると、
誤りが発生した後のビット列は 111000100
である。
このとき、
ビット列 111000100
において 1
が出現する回数は偶数であるため、
誤りが発生しているにもかかわらず、
誤りが発生していることを検出できない。
11. 第 3 回: 媒体アクセス制御
11.1. 講義資料
前回と同じものを用いるので、新たに配布するものはない。
11.2. 確認演習
演習 1
メディアアクセス制御 (MAC) に求められる要件を挙げなさい。
演習 2
スロット化 ALOHA の伝送効率は Pure ALOHA の 2 倍となる理由を、 フレーム衝突が発生する期間にもとづいて、 説明しなさい。
演習 3
CSMA によって ALOHA よりフレームの衝突を回避できる理由を説明しなさい。
(発展) 演習 4
Pure ALOHA の伝送効率が \(S = G e^{-2G}\) で与えられる理由を説明しなさい。 ここで、 \(G\) は、ポアソン分布に従う (フレーム時間あたりの) フレーム生成レートである。 また、フレームの大きさは等しいことを仮定している。
11.3. 略解
演習 1
複数の端末によって共有されるリンクを、フレーム同士の衝突を回避しながら、 効率的に利用すること。
演習 2
Pure ALOHA において、 あるフレームと他のフレームが衝突しないようにするには、 2 フレーム時間を確保しなければならない。 一方、スロット化 ALOHA は、フレームを送る時点をスロットの先頭のみに限定しているため、 フレームの衝突が発生する期間は高々 1 フレーム時間である。 よって、衝突が発生する期間が半減していることから、 スロット化 ALOHA の伝送効率は 2 倍となる。
演習 3
搬送波検知によってチャネル (リンク) が使用されていることを検知した場合には、 フレームの送信を見送るから。
(発展) 演習 4
以下のページを参照されたい。
https://en.wikipedia.org/wiki/ALOHAnet#Pure_ALOHA
12. 第 4 回: イーサネット・無線 LAN
12.1. 講義資料
12.2. 補足資料
IEEE 802.11 は以下にまとめられています。
IEEE 802.11 https://en.wikipedia.org/wiki/IEEE_802.11
最近の無線通信のトレンドに興味がある方は以下の記事が参考になります。
Beyond 5G(6G)について https://b5g-rd.nict.go.jp/about/ ミリ波の活用分野6選!ほか周波数帯との違いや5Gへの活用についても解説 https://business.ntt-east.co.jp/service/gigaraku5g/column/gigaraku5g_millimeterwave_none/index.html 非地上系ネットワーク(NTN)とは?最新の動向や今後の展望を解説 https://www.ntt.com/bizon/ntn.html
12.3. 確認演習
演習 1
手元で保有しているスマートフォンやノート PC (の NIC) に割り当てられている MAC アドレスを確認しなさい。
演習 2
演習 1 で得た MAC アドレスからその NIC の製造元 (ベンダー) を調べなさ い。
演習 3
ある LAN において、ホスト A がホスト B にフレームを送る、という状況を 考える。この時に、ホスト A は、宛先となるホスト B の IP アドレスを知っ ているが、ホスト B の MAC アドレスを知らないものとする。ここで、ARP に よって、ホスト A がホスト B の MAC アドレスを得る手順を説明しなさい。
12.4. 略解
演習 1
スマートフォンの場合
省略
Linux が動作する PC の場合
> ifconfig
Windows が動作する PC の場合
Windows Power Shell で以下のコマンドを実行すればよい。
> ipconfig /all
演習 2
演習 3
- ホスト A は、ホスト B の IP アドレスを含めた ARP クエリを LAN 内に ブロードキャストする。
- 1. による ARP クエリをホスト B が受け取ると、ホスト B は、ARP クエ リの送信元であるホスト A に、自身の MAC アドレスをユニキャストで応 答する。
- ホスト B による応答を受け取ると、ホスト A は、ホスト B の IP アドレ スと MAC アドレスとの対応を知ることができる。
13. 第 5 回: インターネットプロトコル (IP)
13.1. 講義資料
13.2. 補足資料
RFC791 https://www.rfc-editor.org/rfc/rfc791 # RFC791 の 1.1. Motivation はぜひ。 IPv6 https://en.wikipedia.org/wiki/IPv6 JPNIC とは https://www.nic.ad.jp/ja/profile/ # 「インターネット用語1分解説」もオススメです。
13.3. 確認演習
演習 1
以下に示す (単純な) ネットワークを考える。 以下の図において、 数字はルータを表しており、 数字間を結ぶ実線はリンクを表している。
1 ----- 2 | \ | \ | \ | 5 --- 6 | \ | / 3 ----- 4
ここで、ルータ 1 に、宛先をルータ 6 とするパケットが到着したものとする。 このとき、このパケットが経路 1, 4, 5, 6 を通過されるように、 関係するルータの経路制御表を記述しなさい。 経路制御表における宛先アドレスと次ホップは、簡略化した表現として、 ルータの記号で表記しなさい。
演習 2
(何らかの有線/無線 LAN に接続している) スマートフォンやノート PC (の NIC) に割り当てられている IP アドレスを確認しなさい。
演習 3
下記の表は、あるルータにおける経路制御表を示している。
01111111 00001010 0010**** ******** 1 01111111 00001010 00101*** ******** 2 01111111 00001010 001011** ******** 3 デフォルト 4
このルータに、ア. 〜 ウ. に示す、 宛先 IP アドレスを有するパケットが到着したときに、 パケットが転送される出力ポートの番号を答えなさい。 ただし、ルータは、 パケットの転送先を決定する上では、 最長プレフィックス一致に従うものとする。
- ア. 01111111 00001010 00101101 00001000
- イ. 01111111 00001010 00100101 01001100
- ウ. 01111111 00001010 01101101 10000001
13.4. 略解
演習 1
講義資料における p.6 を参照すればよいので省略。
演習 3
- ア. ポート 3
- イ. ポート 1
- ウ. ポート 4
14. 第 6 回: 経路制御: OSPF
14.1. 講義資料
14.2. 確認演習
演習 1
インターネットのルーティングを説明した以下の文章における空欄にあてはま る適切な語句を答えなさい。
- インターネットのルーティング (経路制御) は、[ ア ] 内ルーティングと [ ア ] 間ルーティングとに大別される。
- [ ア ] 内ルーティングを実現する代表的なプロトコルは [ イ ] である。[ イ ] は [ ウ ] 型ルーティングを採用している。[ イ ] によって経路を決 定する大まかな流れは、ルータ間で [ ウ ] の広告を反復することでネット ワーク全体のトポロジを構築し、(何らかの基準に従って) トポロジ上での 最適な経路を求める、というものである。
- 一方、[ ア ] 間ルーティングを実現する代表的なプロトコルは [ エ ] で ある。[ エ ] は [ オ ] 型ルーティングを採用している。[ エ ] によって 経路を決定する大まかな流れは、宛先までの AS 経路を徐々に広告すること である。
(発展) 演習 2
(任意のプログラミング言語で) ダイクストラ法を実装しなさい。
14.3. 略解
演習 1
(講義資料を参照すればよいので) 省略。
(発展) 演習 2
TBD